岩野 泡鳴
泡鳴五部作
一
お鳥は、兄のところを拔けて來る場合が見付かり難かつたとて、四日目にやつて來た。そして直ぐ入院した。持つて來た行李までも運び込まうとしたので、義雄は、
「荷物までも入院させるには及ぶまい」と云ふと、
「お前は信用でけんから、ね。」頸をつき出し、目を細く延ばした。
岩野 泡鳴
一
お鳥は、兄のところを拔けて來る場合が見付かり難かつたとて、四日目にやつて來た。そして直ぐ入院した。持つて來た行李までも運び込まうとしたので、義雄は、
「荷物までも入院させるには及ぶまい」と云ふと、
「お前は信用でけんから、ね。」頸をつき出し、目を細く延ばした。