小川 未明
おさらい帳
この夏のことでした。正ちゃんは毎日のようにもち棒を持って、お宮のけいだいへ、せみとりに出かけました。そのけいだいは、木立がたくさんあって、すずしい風が吹いていました。そして、雨のふる音のように、ジイジイせみがないていました。また、あぶらぜみがなき、午後からはひぐらしがないたのでありました。正ちゃんは日にやけた黒い顔をして、ごはんを食べるのも忘れて、あそびにむちゅうの日が多かったのです。
だから、晩がたは疲れてお家へかえり、お湯にはいると、すぐにいねむりをしてしまいました。
「そう毎日あそんでばかりいていいのですか?」と、お母さんがしんぱいをしておっしゃいました。
すると、そばからお父さんが、