小川 未明

お面とりんご

町の方から、いつもいい音が聞こえてきます。

チンチン、ゴーゴーという電車の音のようなのや、プープーというらっぱの音のようなのや、ピーイ、ポポーという笛の音のようなのや、聞いても聞いてもその音がいろいろであって、どんなにぎやかなおもしろいことがあるのか、考えてもわからないような気がしました。

小さな政ちゃんは、白いエプロンをかけて、往来の上に立ってその音を聞いていましたが、ついその音のする方へさそわれて、とぼとぼと歩いていきました。

そこは、ちょうど町のまがり角になっていました。車がとおります。人が歩いていきます。それは、ほんとうににぎやかなのでした。

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