小川 未明

学校の桜の木

ある、小学校の運動場に、一本の大きな桜の木がありました。枝を四方に拡げて、夏になると、その木の下は、日蔭ができて、涼しかったのです。

子供たちは、たくさんその木の下に集まりました。中には、登って、せみを捕ろうとするものがあれば、また、赤くなったさくらんぼを取ろうとするものもありました。

桜の木は、ちょうどお母さんのように、子供たちのするままに委していました。そして、子供たちの、楽しそうに遊ぶようすを見下ろしながら、いつも、にこにこと笑っているように見受けられました。

「太い木だなあ。」といって、無邪気な子供たちは、小さな両手を開いて、太い幹に抱きついて、見上げるものもあれば、

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