小川 未明
気にいらない鉛筆
次郎さんはかばんを下げて、時計を見上げながら、
「おお、もうおそくなった。はやく、そういってくれればいいのに、なあ。」と、お母さんや女中に小言をいいました。
「毎朝、ゆけと注意されなくても、自分で気をつけるものですよ。」と、お母さんは、おっしゃったきり、なんともいわれませんでした。
すると、次郎さんは、ぶつぶついっていましたが、
小川 未明
次郎さんはかばんを下げて、時計を見上げながら、
「おお、もうおそくなった。はやく、そういってくれればいいのに、なあ。」と、お母さんや女中に小言をいいました。
「毎朝、ゆけと注意されなくても、自分で気をつけるものですよ。」と、お母さんは、おっしゃったきり、なんともいわれませんでした。
すると、次郎さんは、ぶつぶついっていましたが、