小川 未明
子供の床屋
一
町はずれに、大きなえのきの木がありました。その下に、小さな床屋がありました。円顔の目のくるりとした男が、白い上着を被て、ただ一人控えていましたが、めったに客の入っているのを見ませんでした。なんとなく、みすぼらしく、それに狭苦しい感じがしたからでしょう。
勇ちゃんも、年ちゃんも、学校へゆくときはその前を通りました。
「怖い顔をした、おじさんだね。」と、小さい声で勇ちゃんがいいました。
小川 未明
一
町はずれに、大きなえのきの木がありました。その下に、小さな床屋がありました。円顔の目のくるりとした男が、白い上着を被て、ただ一人控えていましたが、めったに客の入っているのを見ませんでした。なんとなく、みすぼらしく、それに狭苦しい感じがしたからでしょう。
勇ちゃんも、年ちゃんも、学校へゆくときはその前を通りました。
「怖い顔をした、おじさんだね。」と、小さい声で勇ちゃんがいいました。