小川 未明
東京の羽根
東京のお正月は、もう梅の花が咲いていて、お天気のいい日は、春がやってきたようにさえ見えるのであります。義雄さんは、隣のみね子さんと羽根をついていました。
みね子さんは、去年学校を出たのでした。きょうはお店の公休日です。叔母さんのお家へいってきたといって、きれいな着物を着ていました。義雄さんは、まだ来年にならなければ、学校を卒業しないのであります。
「いいかい、こんど落としたら罰に、たたくのよ。」
「義雄さんこそよくって。さあ上げてよ。」と、みね子さんは、ポンと羽根をたたきました。打ち方がよくなかったので、羽根が横へそれてしまいました。