小川 未明

はちの巣

ある日、光子さんは庭に出て上をあおぐと、青々とした梅の木の枝に二匹のはちが巣をつくっていました。

「おとなりの勇ちゃんが見つけたら、きっと取ってしまうから、私、知らさないでおくわ。」

そう思って見ていますと、一匹ずつかわるがわるどこかへとんでいっては、なにか材料をくわえてきました。そして、一匹がかえってくると、いままで巣にとまって番をしていたのがこんどとんでいくというふうに、二匹は力をあわせてその巣を大きくしようとしていたのです。

そののち、光子さんは毎日梅の木の下に立って、その巣の大きくなるのを見るのがなんとなくたのしみでありました。

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