小川 未明
やんま
正ちゃんは、やんまを捕りました。そして、やんまの羽についた、もちを取っていると、ぶるっとやんまは、羽を鳴らして、手から逃げてしまいました。
「あっ。」と、いって、その逃げた方を見送ると、よく飛べないとみえて、歩いてゆくおばあさんの背中にとまったのです。
正ちゃんは、胸がどきどきしました。どうしたら、うまく捕らえることができるだろうと思ったからです。
正ちゃんは、気づかれないように、おばあさんの後を追いかけました。いくらおばあさんでも、動いていると、知られぬように、うまく捕らえられるものでありません。正ちゃんは、ため息をつきました。しかし、勇気を出して、おばあさんのうしろへいって、手を伸ばしました。