古川 緑波
駄パンその他
武者小路先生の近著『花は満開』の中に、「孫達」という短篇がある。先生のお孫さんのことを書かれた、美しい、たのしい文章である。
その中に、四人のお孫さん達が、食べものの好き嫌いがあるということを書いて、
……僕は勿体ないとか行儀が悪いとか言うので、たべたがらないものを無理に食べさすことにはあまり賛成ではなく、偏食はよくないと思うが、食慾が起らないものを無理に食べさす必要はないのではないかと思っている。食物を外にすてる方が不経済か、胃腑の中にすてる方が不経済か、僕にはわからない。……
と言って居られるのは、大変面白い言い方だと思った。全く、嫌いな物を食べることは、胃腑の中へ捨てるようなものだろう。