片岡 鉄兵

菜の花月夜

一

巨大な高原だ。どこまでも拡がる裾は菜の花で、盛り上つて、三里北の野末に、日本海が霞んで見える。淡彩の青の中に、ポッチリ泛んだのが隠岐の島だ。

菜の花月夜の季節が来た。

「菜の花月夜ぢやけん、今に誰かが狐に騙されるぢやろ」

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