吉川 英治
宮本武蔵
西瓜
一
伏見桃山の城地を繞っている淀川の水は、そのまま長流数里、浪華江の大坂城の石垣へも寄せていた。――で、ここら京都あたりの政治的なうごきは、微妙に大坂のほうへすぐ響き、また大坂方の一将一卒の言論も、おそろしく敏感に伏見の城へ聞えて来るらしい。
今――
吉川 英治
西瓜
一
伏見桃山の城地を繞っている淀川の水は、そのまま長流数里、浪華江の大坂城の石垣へも寄せていた。――で、ここら京都あたりの政治的なうごきは、微妙に大坂のほうへすぐ響き、また大坂方の一将一卒の言論も、おそろしく敏感に伏見の城へ聞えて来るらしい。
今――