吉川 英治宮本武蔵普賢一木曾路へはいると、随所にまだ雪が見られる。峠の凹みから、薙刀なりに走っている白い閃きは、駒ヶ岳の雪のヒダであり、仄紅い木々の芽を透かして彼方に見える白い斑のものは、御岳の肌だった。青空文庫の作品カード