吉川 英治

三国志

関羽千里行

一

時刻ごとに見廻りにくる巡邏の一隊であろう。

明け方、まだ白い残月がある頃、いつものように府城、官衙の辻々をめぐって、やがて大きな溝渠に沿い、内院の前までかかってくると、ふいに巡邏のひとりが大声でいった。

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