吉川 英治三国志関羽千里行一時刻ごとに見廻りにくる巡邏の一隊であろう。明け方、まだ白い残月がある頃、いつものように府城、官衙の辻々をめぐって、やがて大きな溝渠に沿い、内院の前までかかってくると、ふいに巡邏のひとりが大声でいった。青空文庫の作品カード