吉川 英治

柳生月影抄

弟の窓・兄の窓

一

紺屋の干し場には、もう朝の薄陽が映している。

干瓢のように懸け並べた無数の白い布、花色の布、紅い模様のある布などが、裏町の裏から秋の空に、高々と揺れていた。

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