小川 未明
銅像と老人
田舎に住んでいる人々は、遠い都のことをいろいろに想像するのでした。そして、ぜひ一度いってみたいと、思わないものはないのであります。
「ああ私も、足・腰のじょうぶなうちに、東京見物をしてきたいものだが、なかなかそう思ってもいざ出かけるということは、できないものだ。」と、おじいさんは、いいました。
「おじいさん、また、秋になると忙しくなりますが、いまは、ちょうど暇のときですから、すこし暑いが、東京見物にいっておいでなさいませんか……。」と、せがれがいいました。
おじいさんは、うれしそうに笑いながら、