小川 未明
おさくの話
おさくは、貧しい家に生まれましたから、小学校を卒業すると、すぐに、奉公に出なければなりませんでした。
「なに、私が、いいところへ世話をしてやる。」と、植木屋のおじいさんはいいました。
彼女の父親は、とうに死んでしまって、あわれな母親と暮らしてきました。おじいさんは、しんせつな人であって、なにかに、二人を気にかけてくれたのであります。
「工場へゆくよりか、夜は、勉強でもさしてくださる、どこかしんせつのお家がいいと、おじいさんは心配していてくださるのだから、見つかって、そのお家へいったら、よくいいつけを守って、働かなけりゃならないよ。」と、お母さんは、いいました。