小川 未明
金が出ずに、なしの産まれた話
ある金持ちが、毎日、座敷にすわって、あちらの山を見ていますと、そのうちに、
「なにか、あの山から、宝でも出ないものかなあ。」というような空想にふけりました。
その山というのは、あまり高くはなかったが、形がいかにもよかったのです。
ちょうど、そのころ、旅の技師が、この村を通って、
小川 未明
ある金持ちが、毎日、座敷にすわって、あちらの山を見ていますと、そのうちに、
「なにか、あの山から、宝でも出ないものかなあ。」というような空想にふけりました。
その山というのは、あまり高くはなかったが、形がいかにもよかったのです。
ちょうど、そのころ、旅の技師が、この村を通って、