小川 未明
千羽鶴
ある村に人のよいおばあさんがありました。あるとき、お宮の境内を通りかかって、たいへん、そのお宮がさびしく、荒れてしまったのに心づきました。
むかし、まだおばあさんが、若い娘の時分には、そんなことはなかったのであります。盆には、この境内で、みんなと唄をうたって踊ったこともありました。その時分には、みんなが、よくお詣りにきたものです。
「世の中も末になったとみえる。神さまを大事にしない。もったいないことだ……。」と、おばあさんは、思ったのでした。
家に帰ってからもおばあさんは、そのことを思っていました。