太宰 治

同じ星

自分と同年同月同日に生れたひとに對して、無關心で居られるものであらうか。

私は明治四十二年の六月十九日に生れたのであるが、この「鱒」といふ雜誌の編輯をして居られる宮崎讓氏も亦、明治四十二年の六月十九日に生れたといふ。

七、八年も前の事であるが、私は宮崎氏からお手紙をもらつた。それにはだいたい、次のやうな事柄が記されてあつたと記憶してゐる。

文藝年鑑に依つて、君が明治四十二年の六月十九日に誕生した事を知つた。實に奇怪な感じを受けた。實は僕も明治四十二年の六月十九日に誕生したのである。この不思議な合致をいままで知らずにゐたのは殘念である。飮まう。君の都合のよい日時を知らせてくれ。僕は詩人である。

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