牧野 信一

美智子と日曜日の朝の話

日曜の朝でした。――「稀にはお母様のお手伝ひをしたら、」とお母様はちよつと機嫌の悪い顔をなさいましたので、美智子は、

「だつてお母様……」と、あべこべに不機嫌な顔をして、「だつて……だつて……」と、わけのわからない弁解を示して、おさげに結むだリボンを前に廻して、それをもてあそびながら、もう一遍「だつて……」と云ひました。

「そら始つた、こんな時に限つて勉強なんでせう。」

「だつて……」

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