牧野 信一

周一と空気銃とハーモニカ

一

周一は、今年のお年玉に叔父さんから空気銃を貰つた。去年から欲しがつてゐたものだつたが、危いから駄目だ/\と云はれて、父からも母からも許されなかつた。その代りクリスマスの日に母から立派なハーモニカを買つて貰つたのであつた。

周一は、ハーモニカに直ぐ飽きてしまつた。何故かなら、一月もかゝつていくら一所懸命に吹いて見ても、やさしい唱歌さへ吹けなかつたからだ。

「ねえお母さん、今度の日曜に、お隣りの健ちやんと一緒なら、空気銃を持つて山の方へ遊びに行つてもいゝ?」

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