小川 未明
おじいさんとくわ
だんだんと山の方へはいってゆく田舎の道ばたに、一軒の鍛冶屋がありました。その前を毎日百姓が通って、町の方へゆき、帰りには、またその家の前を通ったのであります。
「どうか、今年も豊作であってくれればいいがな。」と、話をしてゆきました。
家の内で、おじいさんは、その話し声を聞いていました。そして仕事をしながら、
「どうか、米や豆が、よく実ってくれるように。」と、鉄を打って、百姓のつかうくわなどを造っていました。
小川 未明
だんだんと山の方へはいってゆく田舎の道ばたに、一軒の鍛冶屋がありました。その前を毎日百姓が通って、町の方へゆき、帰りには、またその家の前を通ったのであります。
「どうか、今年も豊作であってくれればいいがな。」と、話をしてゆきました。
家の内で、おじいさんは、その話し声を聞いていました。そして仕事をしながら、
「どうか、米や豆が、よく実ってくれるように。」と、鉄を打って、百姓のつかうくわなどを造っていました。