槙本 楠郎

かぶと虫

一有一君は四年生で、真奈ちやんは二年生です。二人は競争で、毎朝涼しいうちに、夏休みの「おさらひ帳」を勉強します。今日もやつとすませたばかりのところへ、お隣の二年生の宗ちやんが、きれいなお菓子箱をかゝへて、内庭に入つて来ていひました。

「ねえ、いゝものあげようか?」

すると二人はお縁に飛んで出て、いつしよに手を出してさけびました。

「おくれ、僕に!」

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