槙本 楠郎
原つぱの子供会
汽車のやうな郊外電車が、勢ひよくゴッゴッゴッゴッと走つて来て、すぐそばの土堤の上を通るごとに、子供達は躍り上つて、思はず叢から手を挙げました。けれどそれが行つてしまふと、またみんな一心に、自分の知らない草や花や虫や石をさがして、草原を分け進むのでした。
いろんなものを拾ひ集めて、その名を覚えたり、それできれいな博物の標本をつくつたり、それを遠い街の子供会へ贈つてやることは、子供たちにはとてもうれしかつたのです。
「工場のある街の方の子供会でも、今日は天気がいいので、みんな元気にやつてるだらうな……」
子供たちはそんなことを考へたり、これから、自分たちの集めた草や花や虫や石の片などを、自分の眼で見るより二百倍も三百倍も大きくして見せる顕微鏡で見ることなどを思ふと、叢の中で踊り廻りたいほどでした。