小川 未明
雪の上の舞踏
はるか北の方の島で、夏のあいだ、働いていました人々は、だんだん寒くなったので、南のあたたかな方へ、ひきあげなければなりませんでした。
「お別れに、みんな集まって、たのしく一晩おくりましょう。」と、それらの人たちは、話しあいました。
丘の上に、一つの小屋があります。それには、赤い窓がついていました。ある晩のこと、彼らは、そこへ集まりました。そこで、男も女もまじって食卓についたのです。食卓の上には、いろいろのくだものや、魚や、鳥や、獣物の肉などがならべられ、また、色のかわった酒が、めいめいの前においてあったコップに、そそがれていました。
このかんばしいにおいは、小屋の窓から外へながれでたのです。島にすんでいたきつねは、このにおいをかいで、たまらなくなりました。そして、どこからながれてくるのだろうと思って、さがしにきました。