小川 未明

ある男と牛の話

ある男が、牛に重い荷物を引かせて町へ出かけたのであります。

「きょうの荷は、ちと牛に無理かもしれないが、まあ引けるか、引かせてみよう。」と、男は、心の中で思ったのでした。

牛や馬は、いくらつらいことがあっても、それを口に出して訴えることはできませんでした。そして、だまって人間からされるままにならなければなりませんでした。

牛は、その荷を重いと思いました。けれど、いっしょうけんめいに力を出して、重い車を引いたのです。

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