小川 未明
はちとばらの花
はちは、人間の邪魔にならぬところに、また、あんまり子供たちから気づかれないようなところに、巣をつくりはじめました。
仲間たちといっしょに、朝は早く、まだ太陽の上らないうちから、晩方はまたおそく、まったく日の沈んでしまうころまで、せっせと働いたのであります。
彼らが、こうして働いているときに、この世の中では、いろいろなおもしろいことや、またおもしろくないことなどが起こっても、けっして、それに目もとまらなければ、また心のひかれるようなことがなかったほど、いっしょうけんめいであったのでした。
ひまなとんぼが遊んでいたり、おしゃべりなせみが鳴いていたりする間に、はちはせっせと働いていました。