小川 未明
石段に鉄管
秋の暮れ方のことであります。貧しい母親が二人の子供をつれて、街道を歩いて、町の方へきかかっていました。二人の子供は男の子でした。上が十一ばかり、そして、下は、まだ八つか、九つになったばかりであります。
彼らはどこからきたものか、疲れていました。ことに二人の子供は足がくたびれたとみえて、重そうに足を引きずっていました。
兄のほうは、それでも我慢をして、先になって歩いていました。弟のほうは、母親のたもとにすがったり、その体をまわったりして、ときどき、黙って歩いている母親の顔を仰いで、苦痛を訴えるのでした。
「ああ、もうすこしいったら、休ましてやるよ……。」と、母親はいいました。