小川 未明
海の踊り
日本海の荒波が、ドドン、ドドンといって岸を打っています。がけの上に、一本の松の木が、しっかり岩にかじりついて、暗い沖をながめて、嵐にほえていました。
そこへ、どこからともなく、紅い、いすかが飛んできて、松の木にとまりました。
「松の木さん、なんで、そんなに腹だたしそうにどなっているのですか?」といいました。
松の木は、頭の毛を逆立て、いまにも岩からはなれて、沖の方へ飛んでゆきそうな、いらだたしげなようすをしながら、
小川 未明
日本海の荒波が、ドドン、ドドンといって岸を打っています。がけの上に、一本の松の木が、しっかり岩にかじりついて、暗い沖をながめて、嵐にほえていました。
そこへ、どこからともなく、紅い、いすかが飛んできて、松の木にとまりました。
「松の木さん、なんで、そんなに腹だたしそうにどなっているのですか?」といいました。
松の木は、頭の毛を逆立て、いまにも岩からはなれて、沖の方へ飛んでゆきそうな、いらだたしげなようすをしながら、