小川 未明
北の少女
少年は、海をながめていました。青黒い水平線は、うねりうねっていました。それはちょうど、一連の遠い山脈を見るように思われたのです。そして、いまにもなにか不思議な、珍しいものが、その小山のいただきのあたりに跳り上がらないかと、はかない空想を抱きながら待っていたのでした。
「もう、この海にも、じきにお別れしなければならない。」
こう思うと、彼の胸は、迫ってくるのでした。それほど、この自然に親しんだばかりでなく、この村の子供たちとも仲よくなったのでした。
「なに、見ているの?」
小川 未明
少年は、海をながめていました。青黒い水平線は、うねりうねっていました。それはちょうど、一連の遠い山脈を見るように思われたのです。そして、いまにもなにか不思議な、珍しいものが、その小山のいただきのあたりに跳り上がらないかと、はかない空想を抱きながら待っていたのでした。
「もう、この海にも、じきにお別れしなければならない。」
こう思うと、彼の胸は、迫ってくるのでした。それほど、この自然に親しんだばかりでなく、この村の子供たちとも仲よくなったのでした。
「なに、見ているの?」