小川 未明

さまざまな生い立ち

日にまし、あたたかになって、いままで、霜柱が白く、堅く結んでいた、庭の黒土が柔らかにほぐれて、下から、いろいろの草が芽を出してきました。

「お父さん、すずらんの芽が、だんだん伸びてきましたよ。」と、庭に出て、遊んでいた少年が、奥の方に向かっていいました。

へやで、お父さんは、本を読んでいられた。

「兄さん、どこに、すずらんが芽を出したか、僕に見せておくれよ。」と、弟がそこへ飛んできました。

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