小川 未明
その日から正直になった話
あるところに、気の弱い少年がありました。いい少年でありましたけれど、気が弱いばかりに、うそをついたのです。自分でも、うそをつくことは、よくない、卑怯なことだということは知っていました。
「もう、これから、私はうそはつかない。」と、うそをいった後では、いつも少年は心にそう思うのでした。
けれど、それは、悪いと思われないような場合もありました。たとえば、病人に向かって、
「このあいだよりも、ずっとお顔の色がよくおなりです……。」というと、実際は、そうでなくても、病人を喜ばすものである。こんなときのうそは、かならずしも悪いのでない。もし、そういうことができれば、