上司 小剣
東光院
一
東光院の堂塔は、汽動車の窓から、山の半腹に見えてゐた。青い木立の中に黒く光る甍と、白く輝く壁とが、西日を受けて、今にも燃え出すかと思はれるほど、鮮やかな色をしてゐた。
長い/\石段が、堂の眞下へ瀑布を懸けたやうに白く、こんもりとした繁みの間から透いて見えた。
『東光院て、あれだすやろな。』
上司 小剣
一
東光院の堂塔は、汽動車の窓から、山の半腹に見えてゐた。青い木立の中に黒く光る甍と、白く輝く壁とが、西日を受けて、今にも燃え出すかと思はれるほど、鮮やかな色をしてゐた。
長い/\石段が、堂の眞下へ瀑布を懸けたやうに白く、こんもりとした繁みの間から透いて見えた。
『東光院て、あれだすやろな。』