江見 水蔭
探検実記 地中の秘密
――一ヶ所で打石斧二百七十六――肩骨がメリ/\――這んな物を如何する――非常線――荏原郡縱斷――
余の陳列所の雨垂れ落に積重ねてある打製石斧は、數へては見ぬが、先づ謙遜して六七千箇は有ると云はう。精密に計算したら、或は一萬に近いかも知れぬ。
これは地の理を得て居るから、斯う打石斧を多く集められたのである。玉川沿岸には打石斧が多い。其處の何處へ行くのにも余の宅は近く且つ都合が好い。
それに余は蠻勇を以て任じて居るので、一度採集した物は、いくら途中で持重りがしても、それを捨てるといふ事を爲ぬ。肩の骨が折れても、持つて歸らねば承知せぬ。