知里 真志保
あの世の入口
まえがき
アイヌ語の地名を調べていると、海岸、または河岸の洞窟に、あの世へ行く道の入口だというものが意外に多い。それらの洞窟は、だいたい次のような名で呼ばれている。
(一)アふンパ※(小書き片仮名ル、1-6-92) Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-par(入る・口)。アふンパロ Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-paro(入る・その口)。――胆振地方で。(二)アふンルパ※(小書き片仮名ル、1-6-92) Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-ru-par(入る・道・口)。アふンルパロ Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-ru-paro(入る・道・の口)。――胆振、日高国沙流、旭川市近文などで。(三)アふンルチャ※(小書き片仮名ル、1-6-92) Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-ru-char(入る・道・口)。アふンルチャロ Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-ru-charo(入る・道・の口)。――北海道北部地方で。(四)アふンポール Ah※(アキュートアクセント付きU小文字)n-poru(入る・洞窟)。――日高国静内地方で。(五)オまンルパ※(小書き片仮名ル、1-6-92) Om※(アキュートアクセント付きA小文字)n-ru-par(奥へ行く・道・口)。オまンルパロ Om※(アキュートアクセント付きA小文字)n-ru-paro(奥へ行く・道・の口)。――胆振、日高などで。(六)うぇンルパ※(小書き片仮名ル、1-6-92) W※(アキュートアクセント付きE小文字)n-ru-par(悪い・道・口)。うぇンルパロ