知里 真志保
洞爺湖の伝説
虻田の村の酋長の妻が或る時突然病んで、どんなに加持祈祷しても験がなく、病は重くなるばかりだった。その頃豊浦の村に洞爺湖の主を憑神にもつ有名な巫女が居たのでそれに巫術をさせたら、やがて神がかりの状態になって次のように謡い出した――
サアエエ サアオオ
俺の支配する湖のまん中に
俺はぽっかり浮上がった
知里 真志保
虻田の村の酋長の妻が或る時突然病んで、どんなに加持祈祷しても験がなく、病は重くなるばかりだった。その頃豊浦の村に洞爺湖の主を憑神にもつ有名な巫女が居たのでそれに巫術をさせたら、やがて神がかりの状態になって次のように謡い出した――
サアエエ サアオオ
俺の支配する湖のまん中に
俺はぽっかり浮上がった