桜間 中庸冬至あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。外は武藏野の風であらうにこの落ちついた心はふるさとを想つてゐる。ぷち――ぷちゆぶねのあちこちに月のやうに浮んでゐる橙の實をそつと下から押へる。青空文庫の作品カード