広海 大治
章魚人夫
北方の海には氷が張りつめた食物がなくなった章魚はおのれの足を食いつくした
春四月まだ雪は南樺太の野を埋めている人夫は前借金二十五円にしばられて鉄道工事現場へ追い込まれた
へばりついた大雪の残りが消えたドロ柳があおい芽をふいた流氷が去った海岸に鰊が群来たけれど オホーツク嵐は氷の肌の様に寒いや
伐材だ切取りだ 低地へは土を盛れ岩石はハッパで砕けさあ、ツルだスコップだ トロッコだああ此の一夏中 人夫の労働は待ち構えてる
広海 大治
北方の海には氷が張りつめた食物がなくなった章魚はおのれの足を食いつくした
春四月まだ雪は南樺太の野を埋めている人夫は前借金二十五円にしばられて鉄道工事現場へ追い込まれた
へばりついた大雪の残りが消えたドロ柳があおい芽をふいた流氷が去った海岸に鰊が群来たけれど オホーツク嵐は氷の肌の様に寒いや
伐材だ切取りだ 低地へは土を盛れ岩石はハッパで砕けさあ、ツルだスコップだ トロッコだああ此の一夏中 人夫の労働は待ち構えてる