小酒井 不木
五階の窓
22
「それっ!」
という月並みな叫び声を口々に発して立ち上がりざま一同が逃げ支度にかかると、このとき遅く、いままで艶子たちの腰かけていた長椅子の下から大黒鼠が毒ガスを嗅がされたときのように、両手を床の上に泳がせて一人の白い手術衣を着た医員がむくむくと這い出したので、一同は驚きのあまりその場に立ちすくんでしまった。
見ると、それは医員に扮装したほかならぬ冬木刑事であった。
小酒井 不木
22
「それっ!」
という月並みな叫び声を口々に発して立ち上がりざま一同が逃げ支度にかかると、このとき遅く、いままで艶子たちの腰かけていた長椅子の下から大黒鼠が毒ガスを嗅がされたときのように、両手を床の上に泳がせて一人の白い手術衣を着た医員がむくむくと這い出したので、一同は驚きのあまりその場に立ちすくんでしまった。
見ると、それは医員に扮装したほかならぬ冬木刑事であった。