吉川 英治
年譜
(1892)
八月十一日。神奈川県久良岐郡中村根岸に生る。次男。父直広は小田原藩の下士。早くに横浜へ出、開港企業家の一旗組に伍すも、性その質でなく、南太田新田の牧場と酪業経営に失敗し、一時、県庁書記、酒税官など勤めたが続かず、当時、根岸競馬場附近に住み、内外人の幼児を集めて、母と共に、寺小屋式幼稚園みたいなことをしていた。
母の出身は、千葉県佐倉で、同地の旧藩士で臼井町長をしていた山上弁三郎の四女。娘時代は、親戚先の芝新銭座の攻玉舎近藤真琴氏に預けられて、勉学教養など、同家で送った。
(1896) 四歳