沖野 岩三郎

赤いねこ

雨が しとしとと ふりました。その あくる日の おひるころ、一人の おぢいさんが、町の つじに 立ててある 大きな かんばんを 見ながら、ひとりごとを いって ゐました。

「この ゑは、何の ゑだらう、火事の ゑかしら。」

おぢいさんは、しきりに かんがへこんで ゐました。そこへ 一人の 男の 子が とほりかかって、

「おぢいさん、何を かんがへて ゐるんですか。」

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