大倉 燁子
青い風呂敷包
ゴリラ
江川初子がカフェー・ドラゴンからアパートへ帰ったのはかれこれ朝の五時頃であった。
彼女はハンド・バッグから室の合鍵を出し、扉を開けると、冷めたい朝風がサッと顔を撫でた、オヤと思って見ると往来に面した窓が開放しになっている。
たしかに閉めて出た積りだったのに――、と思いながら、室内を見廻したが別に変ったこともない。
大倉 燁子
ゴリラ
江川初子がカフェー・ドラゴンからアパートへ帰ったのはかれこれ朝の五時頃であった。
彼女はハンド・バッグから室の合鍵を出し、扉を開けると、冷めたい朝風がサッと顔を撫でた、オヤと思って見ると往来に面した窓が開放しになっている。
たしかに閉めて出た積りだったのに――、と思いながら、室内を見廻したが別に変ったこともない。