野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「ところで親分はどう思ひます」

「ところで――と來たね、一體何をどう思はせようてんだ。藪から棒に、そんな事を言つたつて、わかりやしないぢやないか」

錢形平次と子分の八五郎は、秋日和の縁側に甲羅を並べて、一刻近くも無駄話を應酬して居たのです。

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