野村 胡堂
銭形平次捕物控
一
「世の中に何が臆病と言つたつて、二本差の武家ほど氣の小さいものはありませんね」
八五郎はまた、途方もない哲學を持ち込んで來るのです。
「お前の言ふことは、一々調子ツ外れだよ、武家が臆病だつた日にや、こちとら年中腰を拔かして居なきやなるまい」
野村 胡堂
一
「世の中に何が臆病と言つたつて、二本差の武家ほど氣の小さいものはありませんね」
八五郎はまた、途方もない哲學を持ち込んで來るのです。
「お前の言ふことは、一々調子ツ外れだよ、武家が臆病だつた日にや、こちとら年中腰を拔かして居なきやなるまい」