野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

元日の晝下り、八丁堀町御組屋敷の年始廻りをした錢形平次と子分の八五郎は、海賊橋を渡つて、青物町へ入らうと言ふところでヒヨイと立止りました。

「八、目出度いな」

「へエ――」

青空文庫の作品カード