野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「八、花は散り際つて言ふが、人出の少くなつた向島を、花吹雪を浴びて歩くのも惡くねえな」

錢形平次は如何にも好い心持さうでした。

「惡いとは言ひませんがね、親分」

青空文庫の作品カード