野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

「親分、あつしのところへ、居候が來ましたよ」

八五郎がまた、妙な報告を持つて來ました。六月のある朝、無風の薄曇り、今日もまた、うんと暑くなりさうな日和です。

「良い年をしてみつともない。何處へ居候に行くんだ」

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