野村 胡堂

銭形平次捕物控

凉み舟一

「大層な人ですね、親分」

兩國橋の上、ガラツ八の八五郎は、人波に押されながら、欄干で顎を撫でてをります。

「まア、少し歩けよ。橋を越せば、一杯呑む寸法になつてゐるんだ」

青空文庫の作品カード