野村 胡堂

銭形平次捕物控

一

錢形平次が門口の雪をせつせと拂つてゐると、犬つころのやうに雪を蹴上げて飛んで來たのは、ガラツ八の八五郎でした。

「親分、お早やう」

「何んだ、八か。大層あわててゐるぢやないか」

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